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この前レンタルしたスパイ映画に出てきた「Manners Maketh Man」と

セトレ グラバーズハウス 長崎

Oguraya小倉正義さん

間違いなく、パン屋という世間一般のまとめ方が似合わないお店だった。それは単に「あげパン専門」というニッチなラインナップだからでも、尋常じゃないくらい食材や製法にこだわり抜くからでもない。「突き詰めた、自分の納得いくものだけで商売をしたい」と話すオーナー・小倉さんの確固たるスタイルが、ありきたりなジャンルに収まらないほど鮮烈で印象的だったからだ。
 ケースに並ぶメニューはあげパン3種類のみ。チーズ、カレー、あん、それだけ。しかしその完成度の高さは、一口食べただけですぐにわかる。想像を超えるほどサクっとした食感。中の具材の風味も豊かで、細かなトッピングがアクセントとなって最後まで飽きることがない。「オープン前の半年間、とにかく納得いくまで試行錯誤しました」。その答えが、今の3つのあげパンだ。生地にはお米が原料のみじん粉を使用して中のふんわり感と外のクリスピー感を両立。ベーコンは自ら燻製し、カレーも自家製のものを仕込む。毎日手作業で生地づくりから発酵まで行い、揚げたてを食べてもらえるように用意。そんなこだわりの末に行き着いた完成形だからこそ、オープンから2年半経ってもメニューは簡単に増やすことができない。
 「もちろん設備の都合もありますけど、自分の中で今の3種類はかなり研ぎ積ませたもの。大丈夫かな?と少しでも思う商品を出したくないんです。揚げパンを本気でつくる、ここまでやるんだというくらい。でも、ここまでやるからこそ、逆に意味があるのかなと」。そんなストイックな向かい方の末にできたあげパンだが、手にとって食べる人に高い敷居は望まない。学校帰りの若者や仕事途中のサラリーマン、主婦やおじいちゃんおばあちゃんまで。1個250円のとっておきのあげパンを求めて、この路地裏に立ち寄ってパクッと食べていく。その光景はなんだか、地元に根付いた昔ながらのパン屋さんのようだった。

Editing Data

・基本情報
佐世保市上京町6-19
0956-25-5231
11:00~18:30※売り切れ次第終了
Pなし

 

・取材メモ
取材日…11/17(金)
天候…曇り
取材時間…40分
来店回数…5回目

間違いなく、パン屋という世間一般のまとめ方が似合わないお店だった。

Oguraya

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