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自分の気持ちに、正直でいること。

CROSSROADS COFFEE

マンゼ・マンゼエスニックカレー

あまり考えずに日替わり定食を選んで黙々と食べながら、ずっと気になっていたことがある。カウンター上の黒板に書かれた「エスニックカレー」という文字。ここは、お昼時のサラリーマンで賑わういわば下町の洋食店。なのになぜカレー、しかもエスニック。しかし、よく見ると(なぜか予告されている)明日の日替わりはうどんだし、店内はまるでスナックのようなこぢんまりとしたつくり。そして店主はコック帽をかぶってる。わけが分からないままだが、目の前の料理のおいしさに満足したことだけは間違いなかった。
 長崎県庁跡地から江戸町に下る坂の途中。レトロな佇まいの〈マンゼ・マンゼ〉を営むのは、笑顔のとっても素敵な原口さん。メニューにカレーが存在する理由には、お店と原口さんのこれまでの歩みが関係していた。元々は大阪の名だたるホテルで活躍し、料理の技術を一から身につけた原口さん。自らのお店で料理をふるまうなら「親しみやすく、ご飯が進むようなものを」と考えた。これまで専門だった洋食だけではなく、ランチタイムに毎日訪れるビジネスマンが飽きないよう、日替わりメニューは和食や中華など多彩な料理を用意した。そんな中でメニューの幅を広げるため登場したのが「エスニックカレー」だ。
 実はレシピの大元は、ホテル時代に同僚だったインドネシア人の賄いだったそう。日本で手に入るスパイスで工夫しながら再現。バターや小麦粉は一切入れず、じっくり煮込んでタマネギの甘みとトマトの酸味を引き出す。口に入れるとほんの少しスパイスの香りがするが、どちらかというと野菜の旨みがぎゅっと詰まったようなおいしさが際立つ。隠し味のココナッツクリームが全体をまとめた、やさしいカレーだ。
 長年料理への情熱を燃やし続けながら、原口さんはあくまでお客さん本位だ。「もし味が足りなければ、そこのしょうゆを足してくださいって言うんです」。レストランではなく、まちの洋食屋。親しみやすいカレーに込められたおいしさは、とにかく来てくれる人に満足してほしいという心意気から生まれている。

Editing Data

・基本情報
長崎市江戸町2-18
095-827-4441
11:30~15:00 / 18:00~21:00
日曜、祝日休
9席
Pなし
禁煙

 

・取材メモ
取材日…8/30(水)
天候…晴れ
取材時間…1時間10分
来店回数…5回目

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